沖縄 レンタカーに主力を置く会社
クルマの値段にはデザイン代も含まれていることを忘れてもらっては困る。
エンジンは3・0のV6が1本のみ。
これに5速オートマチックトランスミッションが付く。
むろんHエンジンの常として、シューンとストレスなく回るが、驚くほど静かでスムーズなパワートレーンだ。
Hがこうしたクルマを出してくると、Tも安閑とはしていられまい。
乗り心地はアコードより柔らかく、軽快かつ適度にしっとりしたという感じだ。
大きく重いクルマのわりにはスポーティな走りをする。
混雑した都内でも運転しやすいのは、トランスミッションのシフトポイントがうまくセツティングされているからだ。
トランスミッションをコントロールするコンピュータのマップがよく練られており、アクセルを踏み込めば必要なときに必要なだけの加速が得られ、また、コーナリング中に不要なシフトアップを止める制御がうまく働いて、気持ちよく走れる。
特筆すべきは燃費のよさだ。
lあたり8・7kMを記録した。
渋滞また渋滞、ゴーストップの繰り返しの都内である。
さらに私は都内から那須まで高速道路を往復したのだが、このときの燃費は○○に迫るものだった。
そのほかの遠出では○○ということもあった。
しかも指定の燃料はレギュラーガソリンときている。
この好燃費は一定速度で巡行しているときは、V6エンジンの運転席に近い側の3気筒を停止させ、残りの3気筒だけで走らせる気筒コントロール技術による。
この気筒コントロール技術はかつてGMがV8エンジンで試したものだが、当時はまだコンピュータが発達していなかったため、GMの思うようにならなかった。
インスパイアの気筒コントロールは絶妙で、高速道路を走行中、3気筒が停まったか動きだしたかは、よほど注意していてもわからない。
ドライバーになんのショックも感じさせないのだ。
ドライバーはただダッシュボード上に表示されるエコサインの点灯で、それと知るばかりである。
片側のパンクを停止させると当然エンジンから不快なノイズが発生するはずだが、振動音を打ち消す音をオーディオから出すなどし、それを中和してしまうシステムが付いている。
恐れ入った補正技術である。
最上級モデルには、衝突軽減ブレーキも付く。
前方の障害物をミリ波レーダーで検知して自動的にブレーキをかけるシステムだ。
障害物に近づくと、まずピピピツと警告音を発する。
ちょっとラフな運転をすると、これがのべつ鳴って少々わずらわしい。
余計なお世話だと言いたくなる。
この衝突軽減ブレーキは、ドライバーがブレーキを踏み込む速さを感知しても働き、アシストを行う。
さっとブレーキを踏みかけて、最後まで強く踏まないというようなときにもこのシステムが働いて、思いのほかガクンとブレーキが効くから、びっくりさせられる。
こいつはブレーキ踏み遅れ、踏み込み不足を補助してくれるわけで、うっかりしていて追突してしまったときなどは事故のダメージを軽減してくれる。
やはりたいしたものではある。
もうひとつ、アコードからはじまった運転支援システムのHIDSが使いやすい。
適当に追従したいクルマを見定めて、スイッチをオンにしてやると、あとは自動的にアクセル、ブレーキをコントロールし、ハンドルを切りながら、そのクルマの後をずっと追随していってくれる。
ハンドルをしっかり握っていないと警告音が鳴って、すぐにキャンセルされてしまうのが難だが、遠くまで行って高速道路を帰るときなど、こいつはいたってらくちんでありがたい。
インスパイアは電子補正技術の塊のようなクルマだ。
エンジン、トランスミッションといった基本がしっかりできているので、その補正をけっして不自然に感じさせない。
ここらあたり、日本車はすごいところまで来ているナと思わされた。
私はインスパイアで新しいB5シリーズの試乗会に出かけていったのだが、その帰りにもこのクルマはなかなかだナと思った。
B5シリーズのような高級車に乗ったあとでは、それまで乗ってきたクルマが色あせて見えるのが普通だ。
ところがインスパイアは少しもそうした印象を抱かせない。
B5シリーズはインスパイアの倍はする高級車だ。
むろんあらゆる意味でインスパイアより上質だし、乗って気持ちがいい。
ィンスパイアはBMWから乗り換えても、この値段にしてはずいぶんよくできているなアと感心させるのだ。
箱ものミニヴアンで荒稼ぎのHとて、その気になれば相当、内容のあるセダンを作れるのである。
しても、なんでそいつを最初からやらんのかいナ。
いまのホンダに必要なのは、野暮ったかろうがなんだろうが、クルマ作りにかける一途なマジメさだ。
インスパイアは私にHの底力を見せてくれた。
トヨタがその総力を結集して作った、世界基準の高級セダン。
1989年に登場し、現在のモデルは3代目である。
名実ともにトヨタのフラッグシツプだ。
これに比べりゃ、クラウン風情なんぞクルマの格が一段も二段も下だ。
なにせセルシオときたら騒音、振動は元から絶たなきゃダメと、そのV8エンジンの品質基準を航空機エンジンなみに引き上げて作ったぐらいなのだから。
セルシオは世界の高級車メーカーに大きな影響を与えている。
かのMは、こんな低価格でこれだけの品質のクルマができるのかと舌を巻き、Jもセルシオを分解して徹底的に研究したと聞く。
Mが電子制御でその走りにさらに磨きをかけ、Jがオールアルミボディを採用したりするのは、けっしてセルシオの存在と無縁ではなかろう。
むろんセルシオには走行制御の各種電子一アヴアイスやエアサスペンションなど、Tの最新技術が常に注ぎ込まれ、つねに世界のトップクラスたろうとしている。
今年、セルシオに新しい6速オートマチックトランスミッシヨンが与えられたのも、世界での競争力を維持するためには当然のことだ。
また、同時にインスパイア同様のレーダーを使ったプリクラッシュブレーキも搭載した。
セルシオのメインマーケットはアメリカだから、そのサイズは当然、巨大だ。
全長5015mm、全幅1830は、たんにこのクルマが買えるだけでなく、いろいろな意味で条件にめぐまれた人であろう。
ボディスタイルはなかなか端正でよくデザインされてはいるが、Mコンプレックス丸出しで、日本車に高級車の歴史がないことを正直に告白している。
エンジンは4・3のV80これに新しく6速オートマチックトランスミッションが載った。
とにかく静か、静か、また静かというエンジンで、エンジンの存在を意識するのはこのクルマのアクセルを踏んで、その図太いトルクが湧きあがってくるときだけだ。
依然として世界でも第一級のV8ユニットといえよう。
アメリカではレクサスブランドで絶大な定評を得ているセルシオだが、ことヨーロッパではなかなか相手にしてもらえない。
アメリカ人のお金持ちと、了見が狭く、格式と伝統を重んじる保守的なヨーロッパのブルジョアとの違いであろうか。
たしかに新参者セルシオは、JやMのようなバッジのご威光に欠けている。
そこのところはTの悩みで、なんとかTブランドのイメージを上げたいところではある。
日本ならではの高級車観をしっかりと具現化して堂々と打ち出すことだ。
頼りとするお手本がないから大変だとは思うが、こと静粛性の技術では世界のトップクラスを歩むTなのだから、そこらあたりでセルシオを日本ならではの高級車として磨きあげていってほしい。
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